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Spot the Difference


セメント
冷凍環境に置かれた水とお湯
ハイランダー症候群



君には、何の事だかわかるかい?
・・・おっと、そう身構えなくてもいい。
いきなりこんな言葉の羅列を投げかけられては、そうだな・・・
『廊下の曲がり角でアランに遭遇する』ようなものだからね。



ではここにもう一つ言葉を足そうか。



ジェファーズの昏倒



さぁ、どうかな?
・・・そう、キーワードは「謎」だ。



なぜか固まる水を加えたセメント
なぜか水より早く氷るお湯
なぜか年を取らない人々、そして・・・



なぜか突如倒れたジェファーズ



サラマンダー主催のドミトリー・ヴィジット。
まさかアラン以上に興味を引く出来事があるとは思わなかったが・・・



世の中にはまだまだ「謎」と呼ばれる刺激が溢れているらしい。



さて、最初に投げかけた四つの言葉・・・
これは更に二つのカテゴリーに分ける事が出来る。
つまり・・・



セメント
水とお湯



これに対して



ハイランダー症候群
ジェファーズ昏倒



さぁ、今度はどうかな?



ご名答。
両者を分けるものは簡潔に
「人為的」であるかそうでないかだ。



初めから「謎」として存在し解明が待たれる前者に対して、
その存在は明らかに作られた「謎」として現れた後者。



あの日、あの時、あの場所で少し離れた席にいた君にはよくわかるはずだ。
あの一連の事件に「当事者」として遭遇した僕達とは違ってね。



君には見えたんじゃないか?



目の前で起こるはずだった、何気ない日常。
目の前で起こるはずがない、歪められた非日常。



その二つの画を重ね合わせた時



そこには作られた「謎」が浮かび上がる。



これは壮大な「間違い探し」の始まりだ。



サラマンダー寮内で起きた「元」サラマンダー寮生の不幸な事故。



それは予定されていたものなのか?
それとも別の誰かがこうなるはずだったのか?


あるいは無作為に選ばれた結果なのか?
対象が重要ではなく「誰かが」倒れる事が重要だったのか?


その場合「サラマンダー寮の権威の失墜」を目的とする寮外の意向か?
はたまた「サラマンダー寮長の信用の失墜」を目的とする寮内の意向か?
あるいは両者の利害が合致した結果か?


何が「間違い」で、何が「間違いじゃない」のか?



さて、僕は一足先にその「間違い」を探しに行くよ。



そろそろジェファーズの「不幸な事故」に怒りをたぎらせた名探偵が
お菓子でお腹をいっぱいにさせてやる気をみなぎらせている頃だろうからね。
16:00 (11ago)7年生 エリオット・ディミトリアス・ウェブスター イーサー寮生 comments(0)
満ちるもの 満ちるべくして 満ちる日々


山と積まれた古書の数々
飽きるほど検証した偉人たちのメソッド
空になった何回目かのティーポットとフレーバーの香りに満ちた室内



要するに・・・



「退屈だなぁ・・・」



机に脚を投げ出して思い切り伸びをする。
読んでいた今日何十冊目かの本にも飽きがきて、
腕を伸ばすと同時に床に投げ捨てた。



人には皆それぞれ「欲求の優先順位」がある。



空腹を我慢してでも知識を得たいと思うときもあれば、
睡眠時間を削ってでも目の前の女性と過ごしたい夜もあるだろう。



それほどまでに「本能」というものの渇望からくるエネルギーは凄まじく、
またそれを得た時の充足感というものは他に代えがたいものだ。



第二位、三位の欲求を満たしたところでそれは「第一位」の充足感には
遠く及ぶべくもない。



つまり、僕の場合、多少は求めるところでもある「読書」や「飲食」
を好きなだけ貪った所で、現在欲求第一位の座を戴く「アラン&ダリル」
と張り合うにはあまりに物足りないというわけだ。



「いや・・・正確には『新鮮アランにジェファーズを添えて・・・』
 という表現がちょうどいいかな?」



アランが入学してからというもの、実に退屈しない。
彼の行動から見て取れる感情は、驚嘆・感激・サプライズ。
そこには常にRAのジェファーズが付き添い、
真面目で堅物の彼のリアクションは予想を裏切らない。



彼等を眺めて過ごす日々は、既に「成果と結果」として書き留められた
偉人たちの伝記を読み込むよりも目新しい。
とどまる事を知らないアランの活動範囲と日々疲弊していくジェファーズ。
もし僕が歴史上の偉人たちの様に後世に一つ本を残すなら、
僕の生涯の代表作はこんなタイトルになるだろう。



曰く、
「奇跡の珍獣・アランの生態とそれが及ぼす人生の破壊について
     〜著・エリオット・ディミトリアス・ウェブスター〜」



ところがそんな彼等がこの所鳴りを潜めている。
理由は明白だ。
彼等はサラマンダー寮で催されるドミトリー・ヴィジットの日から
しばらくそちらに籍を移す。



アランにとっては「体験入寮」、元サラマンダー寮生のジェファーズが
RAとしてそれに付き添う、といった形だ。



彼らはその準備に追われているらしい。
そのため現在、貴重な野生動物は活動を停止しているという訳だ。
おかげで僕は、今日も暇を持て余している



「あ〜、きっとサラマンダーに限らず行く先々で、
 アランは面白いシーンを見せてくれるんだろうなぁ・・・」



真っ先に反応を示すのは寮長のグラ・・・なんだっけ?
あ〜、えっと、あの声の大きい彼。
その傍にいるあのジメッとした彼も悪くない。
アランの「人生破壊」にどれだけ耐えられるか見ものだ。



「見たいなぁ・・・僕もサラマンダーに入っちゃおうかな?
 ・・・いや、さすがにそれは無理か」



まぁしかし、さすがに毎日は無理でも・・・



「ドミトリー・ヴィジットくらいは、なんとかなるね」



山積されたゴミ箱行きの書類の束から、一つつまんでそれを取り出す。



「こんな時には『義務と建前と立場』というものが役に立つものだね」



丁寧にしたためられたドミトリー・ヴィジットへの招待状。
その内容には一切の無駄がなく、また整然とした文章からも

『特に来ていただかなくても構いませんが、
 出さないわけにもいかないのでお送りします。後はご自由に』

という内容が見て取れる。
お互いの立場に配慮した実に僕好みの文章だ。



「こんな時、やっててよかった王族、ってね」



ドミトリー・ヴィジットまではあと幾日かある。
それまではせいぜい、数百冊くらいの読書で暇を凌ぐとしよう。
15:00 (11ago)7年生 エリオット・ディミトリアス・ウェブスター イーサー寮生 comments(0)
tipping point


「ヌーナ、ロディニア、ゴンドワナ、パンゲア・・・
 だとしたら、ユーラシアという事になるかな?」



地殻変動史順だとこうなる。



「いやいや、トゥーマイ、ラミダス、ガルヒ、ホモ・ハビリス・・・
 これならばホモ・エレクトスとなる。はは、この中なら敵無しだな。
 なにせ唯一、火を扱える」



人類史順であればこうなるだろけど。



「とはいえあまりに粗野に過ぎるかな?
 ・・・それもそうだな、格式ある伝統に対して猿人や原人を用いて
 比喩するというのも失礼な話か。
 それならゾロアスター、シッダールタ、孔子、キリスト・・・・
 この順ならムハンマド・・・ムハンマド・イブン=アヴドゥッラーフ。
 いや・・・ムハンマド・イブン=アランラーフ?
 フフ、アランマド・イブン=クロフォードでもいいなぁ」



宗教史順であれば偉大な預言者。
他の四者もいまや巨大な規模を誇る宗教の卓越した創始者達だ。



「ふ〜ん・・・」



右手の人差し指と中指で、交互に側頭部を小突く。
脳内に並べ立てた「歴史」の数々。
そのどれもが、今腰掛けているベンチと同じくらいしっくりとこない。



「いや・・・やっぱり『アラン』は『アラン』だな」



立ち上がって各寮への道を順に見やる。



「サラマンダー・シルフィード・アンディーン・ノーム・・・」



格式ある伝統で彩られた「歴史」ある四寮。
しかし「歴史」は過程をただ重ねていくものではなく、節目節目に必ず「転換点」を伴う。



新大陸の誕生には地殻変動を伴い、新人類の誕生には火や武器といった文明を伴い、
神の誕生には超人というカリスマが伴う。



積み重ねられた「歴史」をあらぬ方向に動かすほどの「転換点」は
例外なく大きな衝撃を伴って現れる。
つまり・・・



「アラン・ボールドウィン・クロフォード」



ザ・ロイヤル・スクール・オブ・エバーグリーンの歴史に訪れた新たな「転換点」



「ふふ、面白い子が現れたものだな」



表向き均衡を保った四寮の「歴史」に彼はどれだけの衝撃を与えてくれるのか。
あるいは彼もまたいずれかの寮の「歴史」に飲みこまれるだけの存在なのか。
いやぁ、それはないだろうな。
なにせ・・・



「あれだけの荷物を持って森に突進するだけじゃ飽き足らず、
 四寮の修羅場にも突進する子だ」



普通に考えれば、それが日常だとしたら学園生活が不便で仕方がないと
考えを改めるだろうに。
おそらくは思い込んだら一筋、染まる事を知らない子なのだろう。



森を抜け出すことができず、仕方なく森で生活を始める彼を想像して
笑いがこみ上げる。
いずれにせよ・・・



「しばらくは退屈しないで済みそうだ」



アランがこの学園に新たな「歴史」を上塗りしてくれる事を期待して、
ボクはイーサーへの帰路に就く事にした。
16:00 (11ago)7年生 エリオット・ディミトリアス・ウェブスター イーサー寮生 comments(0)
truth


試みに一つ、こんな謎を問おうか。



『卵が先か?鶏が先か?』



キミはどう思う?



謎には必ず答えがある。



それは「真実」という言葉で置き換えてもいい。
謎は謎のまま存在し続ける事はなく、謎は解けるから「謎」なんだ。



だからといって「真実」は万人が共感し得るものとは限らない。



科学者は言う。
「鶏がいなければ卵ができない」



しかし数学者は言う。
「卵の数から鶏の数を予測することはできるが、その逆は成立し得ない。よって卵が先である」



また神学者は言う。
「神は鳥を創造しそれを産み殖やすよう命じた。つまり鶏が先だ」



だが仏教学者はこう言うのだ。
「循環する時の中で『最初』は存在しない。どちらが先という事はない」



つまりこの「謎」に対する本質は「真実は人の数だけ存在する」という事に他ならない。



人は自らが信じたものを「真実」と呼ぶんだ。



さて、これを踏まえてもう一つ問おうか?



キミが訪れる事になる今回のオープンキャンパス。
ザ・ロイヤル・スクール・オブ・エバーグリーンの生徒達は躍起になって
その準備に追われているよ。



ボクが所属する第五寮イーサーを含め、学園内には五つの学生寮が存在する。



問題児が多いとされるが今年度の最優秀寮の栄誉を戴く第一寮・サラマンダー
協調性を欠くが有能かつ赫々たる人材を擁する第二寮・シルフィード
優等生と呼ばれる生徒が多いためか孤立を余儀なくされる第三寮・アンディーン
完成された秩序と規律を持つがゆえに危ういバランスの上に成り立つ第四寮・ノーム



フフ、勿論、これらの印象はボクの目から見た「真実」だけどね?



それではこの中から第一寮・サラマンダーを例にとって問おう。



『問題児だからサラマンダーに入るのか?それともサラマンダーにいるから問題児になるのか? 』



キミは、どう思う?



この学園には「謎」が満ちている。
その謎に対するキミなりの「真実」が見つかったら第五寮・イーサーを訪れてほしい。
その時は最高のもてなしを用意するよ。



その真実がボクの好奇心に足るもの・・・だったらだけどね。
14:30 (11ago)7年生 エリオット・ディミトリアス・ウェブスター イーサー寮生 comments(0)
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