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弱まる焔


オープンキャンパスの時といい、他寮といるとどうしてこうも事件ばかり起きるのか。
今までだって他寮との間に問題はあったし、衝突はしていたけれど、
最近起きる事件に比べれば些細な事ばかりだ。

そんな事件の事を差し引いても、ひたすら紅茶を淹れては運びを繰り返していたおかげで
疲れているのだ。

彼方此方へ運んだものだからそりゃ疲れるし、よりにもよって我先にと急いで開いた
このサラマンダーのドミトリー・ヴィジットであんな事が起きるなんて…。


シルフィードの3人、イーサーの3人、それからマスターとフォロスブロム先輩への紅茶。

数の多さに、一瞬誰か手の空いている生徒に手伝って貰おうかと考えたけれど
僕がマスターに頼まれたのだから、他の生徒に手伝って貰うなんて選択肢はない。

だから勿論、手伝いにきたと言うジェファーズ先輩にも、
手伝ってもらう気は無かったのだけど……まぁ、正直…助かったかな…。
あの人数の紅茶を一人で用意していたら、紅茶が冷めてしまっていたかもしれないし。

けど、マスター達のいる前で運ぶのを手伝うと申し出てきた時は流石に断ったさ。
当たり前じゃないか、そんな事されたらマスターに後でなんて言われるか…!!

それにしても、ジェファーズ先輩はRAだろ?
だったらあの転校生をしっかり見ておいてよ!!

せっかく僕が淹れた紅茶を、お菓子が喉に詰まって、急いでいたからつい…だなんて!

喉につまるほど詰め込んだんだなら自業自得だし、ジェファーズ先輩が運んでいた方の
紅茶を飲めばよかったじゃないか!!

マスターへの紅茶じゃなかっただけ、まだマシだったけれど…。

しかも、マスターへ紅茶を渡し、今回は何も言われなかった事に安堵していたら、
今度はジェファーズ先輩が急に倒れるし…。

でも…なんで…

お菓子…は主にあの転校生が食べていたみたいだし…

となると、やっぱり紅茶…?

でも、茶葉はしっかり確認されて置かれているはずだし、
ジェファーズ先輩以外は何ともなかったみたいだし。

紅茶だって、いつも通り淹れただけだし…。


はぁ……


疲れと、少なからず自分も事件に関わっているであろう事に対する不安に、
思わず大きな溜息を吐いてヘッドにぐったりと倒れこむ。


この時間ならマスターに紅茶を頼まれる事もなさそうだし、少しくらいなら寝てしまっても…大丈夫だよね?


うとうとしつつ、もう一つ、マスターとフォロスブロム先輩が話していた事件を
思い出した。

ジェファーズ先輩の事に比べれば些細な事だけれど、
『誰がシルフィードに招待状を出したのか』という事…。

マスターが自分で出すということはしないだろうし、フォロスブロム先輩も違うと言っていたし…。

そのうち、まさかお前じゃないだろうなぁってマスターに言われるんだろうなぁ…
 
16:00 (11ago)3年生 ジャンニ・マルツィオ・ペルディーサ サラマンダー寮長お世話係 comments(0)
Chill of autumn



陶器同士がぶつかる高い音。

廊下を駆けるリズミカルな音。

呼び声に答える声。



オープンキャンパスの準備の時も騒がしかったけれど、各寮に分散されていた為
それ程気にならなかったが…
サラマンダーのドミトリー・ヴィジットとなると、当たり前だがそれはサラマンダーに
集中する。


ティーセットをチェックする音に、準備に走る生徒の足音、マスターに呼ばれ大きく
返事をする生徒達の声。


そんな寮内の騒がしさとは打って変わって、寮を出ると途端静かで、まるで別世界。

まるで二つの世界を行き来しているような感覚を覚えながら、いつも通りの生活を…

あぁ、いや。
オープンキャンパス以来、少し違うかな。

オープンキャンパスが終わった頃から感じていた、シルフィード寮長のファグ、
シュヴァイツァーからの妙な視線。
どうやらオープンキャンパスの際、シルフィードの寮長の鳥に何かあった事からくるもの
だったようなのだけれど…

これまたあの日以来、妙に機嫌とシルフィードへの態度が悪かったマスター…
それも、その鳥絡みだったようだ。

どれもこれも、シルフィードが原因じゃないか。
まったく勘弁してほしいなぁ。

マスターの機嫌が悪いと、僕へのあたりも強くなるんだから。


あっ、そうだ紅茶!
頼まれてはいないけれど、そろそろ持っていったほうがいいだろうなぁ。

うーん、あの時熱いと言われてからは温度にも気を遣って、少し冷ましたものを
持って行っていたんだけど…
最近は寒くなってきたし、いつもより少し熱いほうがいいのかなぁ。
 
15:00 (11ago)3年生 ジャンニ・マルツィオ・ペルディーサ サラマンダー寮長お世話係 comments(0)
I'm coming


晴れていたかと思えば、あっという間に雲が立ち込め土砂降りになる。
そんな不安定な天気とは裏腹に、オープンキャンパスが終わった学園は落ち着いた生活へと戻る。


……なんて事はなく。

寧ろ、オープンキャンパス中の方が落ち着いていたほどだ。
何故か、それはマスターがお客様の対応に追われていたから。

だからこそ、やっとできた休憩の時にはそれはもう不満爆発、といった感じだったけれど。

けれど、僕もお客様をもてなす準備でマスターの傍を離れる事も多く、被害は最小限に抑えられた…かな?


それにしても、ここ最近、もっと正確に言うならば
オープンキャンパスが終わってからというもの、妙にシルフィードの奴らの視線を感じる。

確かに、4寮での衝突はあったけれど、別段シルフィードに対して何かあった覚えはない。

だがシルフィード寮長のファグ…あのシュヴァイツァーからの視線が、以前より多く感じるのだ。

どんなだと、具体的に問われると回答に困るのだが…しいていうならば、親の仇でも見るかのような目、といったところだろうか。

正直言うと、鬱陶しいことこのうえない。


でもまぁ、面白い事もあったし
その事を思えば、あんなファグの視線なんてどうということはない。


イーサーになってからというものの、見かける事はあれど、会う事はなかった”あの”ジェファーズ先輩に会ったのだから。

あの時の先輩の顔といったら…!!
そうだよねぇ、だって、今までいい後輩だったものねぇ?

だって、”あんな事"があったんだもの、もう先輩の前で“いい子”でいる必要がなくなったのだから
先輩にそんな態度をとったって、疲れるだけだろう?


あぁ、そうだ。
間違ってもマスター…それに、王族の彼にも…
僕の事を言わないように伝えなきゃ…かな。


っと、そろそろマスターに呼ばれる頃かな?


…おいっ!ペルディーサ!さっさと来い!!


案の定聞こえてきた自分を呼ぶ声に、既に用意済みの紅茶を手にし、声を張り答える。

はぁーい、ただいまー!!

予めちゃんと少し紅茶を冷ましておいたのだから、今日こそ文句は言われないだろう。

あぁ、だけど遅いと、怒られはするんだろうなぁ。
くすりと少し笑い、歩き出した。

 
14:00 (11ago)3年生 ジャンニ・マルツィオ・ペルディーサ サラマンダー寮長お世話係 comments(0)
小さな炎


ザ・ロイヤル・スクール・オブ・エバーグリーン。
普段よりも少し騒がしい学園内。


オープンキャンパスが近付くにつれ、少しずつ園内の声が多くなる。


オープンキャンパスまであと少し。

あと少し、少しだけ耐えれば落ち着く…はず。

オープンキャンパスに向けての準備で忙しい…よりも大変なのは
僕の所属する寮、第一寮サラマンダーの寮長である
バレリオ・フランセスク・グラナドス先輩
…の対応。

寮の名前であるサラマンダーに相応しい、燃えるような赤い髪の彼は
何故こんな事まで自分がやらなくてはならないのかと、ご機嫌斜め。


そんな寮長をなだめるのはいつも、副寮長である
トゥーレ・エドヴァルド・フォルスブロム先輩。

赤みがかった銀色の髪に、所々赤の入った
控えめながら、サラマンダーだと主張するかのような髪の彼の役目。



オープンキャンパスの準備では、他の寮と会う事も多くなる。


そうなると必然的に、普段より各寮との衝突も増える。


グラナドス先輩は他の寮に会う度に突っかかり、そんな寮長を止める副寮長
というのがここ最近良く見られる。

そんな事が度々あるものだから、準備はちっとも進まない。
普段ならまだしも、今ばかりは少し落ち着いて欲しいと思う今日この頃…。

とはいえ、だからと言って準備を怠る等あってはならない。



風の寮の、ちょこまかと動き回っているファグ

水の寮の、無愛想なファグ

土の寮の、毒舌なファグ

あんな奴らには負けられないのだから。






……いっ

…お……ペル…

…おいっ、ペルディーサ!!何度も呼ばせるな!さっさと紅茶を持ってこい!!!


聞こえてきたグラナドス先輩の声に、紅茶の準備中に考え事をしていたのだと我に返る。

うわぁっ!!
いけない、紅茶を入れてたんだ!




はぁーい!今行きますー!!!
 
14:30 (11ago)3年生 ジャンニ・マルツィオ・ペルディーサ サラマンダー寮長お世話係 comments(0)
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