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Wrapped in Fragrance

 

ふんわりと辺りに立ち込める紅茶の香りを
胸いっぱいに吸い込みながら、先ほどのシーンを思い返してみる。

 

アンディーンの寮長、ローレンツ・ヴィンフリート・レマルク先輩。

偶然通りかかった僕を、何の気なしにファーストネームで呼びつけ、
更にはお茶のおかわりを頼むなんて。

 

「…流石だなぁ」


隣に座っていたのは、確かワーデルセラム。

 

彼の好みの紅茶は、何だったかな。

 

数ある銘柄の中からそれを選び、容器の蓋を開ける。
華やかで上品な香り。
それを楽しみながら湯を注ぐ。

オープンキャンパスで慌ただしいかと思いきや、

この辺りはしんと静かで、心地よい。


こうして人にお茶を淹れるのは嫌いではない。
その一時が、素晴らしい紅茶によって良きものになるなら。

 

準備を終え、彼らの元へ向かおうと思った頃、
何か忘れているような気分になった。

 

「ワーデルセラム…あれ、図書館にいると思ったんだけどな」

 

僕が彼らに会ったのは、図書館からはいくらか離れているサロン。
たしか、誰かがワーデルセラムを探していたような…


「…まぁ、いいか」


きっとそのうち見つけられるだろう。

それよりも、早くしないと紅茶が冷めてしまうから。

18:00 (13ago)6年生 オスカル・パトリツィオ・クエスティ サラマンダー寮生・監督生 comments(0)
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